働きながら資格の取得を目指すには、定期的な時間確保と勉強内容の質により、合否が大きく左右されます。3勤交代制の変則勤務の中で、約9か月間の勉強で第二種電気工事士の資格を取ることができました。これから勉強される方々の資格取得に向けて、一助になれば幸いです。
電気工事士とは
電気工事士とは
私たちの生活は、電気とは切っても切れない関係にあります。冷蔵庫や洗濯機、テレビをはじめ、電気を使う多くの製品に囲まれて生活しています。私たちが日々持ち歩いている携帯電話もその一つです。バッテリーに充電することで、場所を選ばず様々な機能を使用することができるようになりました。その充電する作業にも電気を使用します。又、工場では電気でモータを動かし様々な製品やサービスを提供しています。
このようにビルや住宅、工場などで電気の工事を担うのが電気工事士となります。
電気工事は、危険を伴う作業になるので、資格所有者でなければできないんだね
資格の種類
電気工事士は、大きく分けて以下の2種類に分かれます。
第二種では、一般住宅や小規模店舗など電力会社から低圧(600V)で受電する場所の電気工事を行うことができます。
- 第二種 … 電圧が600V以下の電気工事(住宅や小規模店舗など)
- 第二種 … 最大電力が500kw未満の電気工事(ビルや工場など)
まずは第二種から勉強するといいよ
第二種電気工事士ができること
大きな設備以外で電気工事に従事することができます。
持っていないよりも作業の幅が広がり、就職や転職に有利となります。
生活に必要不可欠な電気に対する将来性は高いんだね!
試験の日程や申し込み方法について、もっと詳しく知りたい方は、以下のリンク先を見てね。
試験の構成について
学科試験と技能試験に分かれます。
それぞれ別日程で実施されますが、筆記試験を最初に受ける必要があります。
先ずは筆記試験の勉強から始め、筆記試験が終わった後に実技試験の勉強をしましょう。
学科試験
学科試験の範囲は、大きく分けて以下の7つです。
60点以上で合格なので、ポイントをおさえて勉強していきましょう。
・電気に関する基礎理論
・配電理論及び配線設計
・電気機器、配線器具及び電気工事用の材料及び工具
・電気工事の施工方法
・一般用電気工作物等の検査方法
・配線図
・一般用電気工作物等の保安に関する法令
※なお上記ポイントは、ECEE一般財団法人電気技術者試験センター記載内容を参照しています
技能試験
学科試験の合格者と学科試験免除者に対して、次に記載する項目の全部、又は一部について試験が行われます。持参した作業用工具により、配線図で与えられた問題を支給される材料で、一定時間内に完成させる方法となります。
・配線の接続
・電気機器及び配線器具の配置
・電気機器、配線器具及び電気工事用の材料及び工具の使用方法
・コード及びキャプタイヤケーブルの取り付け
・接地工事
・電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
・一般用電気工作物等の検査
・一般用電気工作物等の故障個所の修理
※なお上記ポイントは、ECEE一般財団法人電気技術者試験センター記載内容を参照しています
勉強方法について
仕事をしながら合格に向けて勉強を進めていくためには、要点を絞って効率よく行うことが重要となります。上期と下期の年2回実施される試験において、いつを目標としているのかを明確にしましょう。勉強に割ける時間によっても目標時期が変わると思いますので、筆記及び技能試験の勉強方法記載の内容を参照し、ターゲットとなる試験日を決めましょう。
上期と下期の年2回試験があるため、自分の生活リズムで受験する日程を決めよう
学科試験
60点以上で合格なので、要点を絞って勉強していきましょう。
中でも「配線図」、「電気機器・器具」、「保安に関する法令」、「電気工事の施工方法」、「一般用電気工作物の検査方法」は優先的に勉強していきましょう。
計算問題も出題されますが、公式を覚えていればOK!それでも解けない問題が出たらあきらめましょう。その問題ができなくても合格できます!
又、複線図は技能試験で必修項目となるので、学科試験の段階で押さえておくと有利になります。
自分が興味ある分野や得意な項目があれば、そっちから勉強するのもアリだね
参考書はイラスト付きでカラーのものがお勧めです。分かりやすくて理解し易くなります。参考までに私が使用したものを載せておきます。ここで重要な事は、内容を理解したら問題集を解きまくることです。付属の問題集があれば、先ずはそちらを解いてください。間違えた問題は、理解するまでチャレンジしましょう。
参考書:TAC出版 みんなが欲しかった!第二種 電気工事士 学科試験の教科書&問題集
「理解した = 問題を解ける」にはなりません。試験問題の傾向を掴むためにも問題集を何度も解いて理解を深めましょう。
付属の問題集が解けたら、最後は過去問を最低3年分は解くことをお勧めします。上期/下期合計で6回分となります。ここで重要なことは、実際の試験時間を考慮して解くことです。試験当日は、普段の勉強環境と大きく違い、緊張し焦ってしまうこともあります。できるだけ普段から試験日当日を想定した環境つくりが重要となります。過去問題は、以下のリンク先(ECEE一般財団法人電気技術者試験センター)から入手することが可能です。
試験当日は、周りの雰囲気もいつもと違い焦りがち。いつもの8割程度の力でも合格できるようにしておくといいね。
学科の勉強時間についてです。
私の場合4勤1休が基本的なサイクルとなり、5日間の内最低でも2時間は学科試験の勉強として時間を割いていました。筆記試験日から遡って約6か月前から勉強を始めました。最初はテキストを読んで、付属の問題集で理解を深めました。一通り対応したら、後は過去問を解きまくり、試験時間2時間に対して、自宅学習では1時間半程で全て解けるようにしました。
トータルの勉強時間として、100時間程費やしたでしょうか。働きながらで、時には休みでも勉強時間が取れずできなかった日もあります。その度に前勉強した内容を忘れ(笑)。。。
しかし試験日の1か月前にもなると過去問で90点前後をコンスタントに取ることができるようになり、技能試験の対策も進めることができました。
どうしても間が空いてしまうと復習する時間もプラスで必要になってしまうよ。だけど土日の数時間だけでも勉強時間に割くことができれば、継続することで合格にグッと近づくことができるってことだね。
もう一つのポイントは、学科試験の対策を早く終わらせることで、技能試験の対策を早めに取り掛かれるってことだね。
技能試験
私の場合、本職で電気を専門に扱っていなかったので、実技試験の勉強は通信講座を通して行いました。TACのWeb通信講座となり、練習用の資材と工具付で46,000円となります。過去問題は自分で入手することができますが、資材や工具準備の手間、試験のポイントを抑えたいとの思いからこちらを受講することにしました。工具無しのコースもあるため、既に工具セットをお持ちの方は費用を10,000円以上抑えることができます。
現在の業務で電気を扱っていなければ、技能試験に時間をしっかり取ることが合格へのポイントになります
技能試験は、時間内に与えられた課題をクリアできるまで何回も練習することが重要となります。はじめに抑えなければならない項目として、複線図の書き方をマスターする必要があります。これができなければ配線を組み付けることもできません。TAC教材は、各課題に対して、1回分の材料が入っています。各課題の複線図をマスターしてから試験時間を意識した練習をすると良いでしょう。
複線図は、早く書けるに越したことはありません。5分前後で書けるように意識しましょう。
試験時間は40分あります。目安として、最初の5分を複線図作成、30分を施工時間、最後の5分を見直し時間に振り分けましょう。
私の場合は、1回の練習では不十分でしたので、資材を1回分追加購入して練習しました。1日の休みの間に課題を2問解くペースで実践を重ねました。試験本番では速さも求められるため、正確性も非常に重要となります。減点ポイントは漏れなく把握することをお勧めします。
筆記試験から技能試験までの期間も限られています。技能試験日を意識して、そこから逆算する形で勉強スケジュールを組み立てましょう。
最後に
現在はCBT方式も導入され、自分のスケジュールに合わせた筆記試験の日時を選ぶことができるようになりました。採点結果もその日に分かるため、技能試験に向けての勉強も進めやすくなります。筆記試験と技能試験の日程を把握した上で、そこに向けての勉強スケジュールを無理なく組み、勉強を継続させる環境を整えることが重要となります。私の経験を少しでもお役に立てればと思い記載しました。これから資格取得を目指される方にとって、参考になればと思います。
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